■タイトル 中国いろいろその2
□文章作成 ベトナムハノイ
□作成日時 2003年2月24日

▼中国語のなまり

中国語には豊富な方言がある。でも今回の話は普通語のなまりの話。付け焼き刃の片言中国語でどのくらい違いがわかるかは疑問だが、それでもずいぶん違いがわかって面白かった。
まず大連など北京から東北では巻き舌が激しかった。目ん玉ひっくり返して発音する。もちろんそれは自分がまねした場合だけど。
普通語が北京語を元にしているだけに日本のCD教材などで聞いた音と一番近い。それがすぐ近くの山東省に入っただけで少しづつ変わってきた。説明はできないがたとえば茶でも尻上がりでなく逆に尻下がりに発音しないとわかってもらえない。考えてみれば当たり前の話だが方言の違いは声調のの違いが大きいようだ。それは声調言語・中国語であっても変わらないらしい。
続いて湖南省の方に入ったら音がどんどんシンプルになってきた。巻き舌が無くなり、日本語に近く感じられる。
「上、山」という字はアルファベット表記では「shan」だが、この辺では「シャン」と言っても通じずただ「サン」と言うと通じる。これは台湾でも同じだった。きっと本当の北京なまりだったら「シャン」みたいでも通じるのだろうが僕の発音では「サン」の方が近いらしかった。
多すぎる方言・訛りに辟易する向きもあるがそれは旅行者の勝手な言い分。世界はいろいろあるから楽しいのだ。

▼始めに言葉ありき

中国語というと漢字の印象が強すぎて「始めに漢字ありき」じゃないかと勘違いしていたがどうやら始めはやっぱり言葉があった様だ。
例えば第三人称はすべて「ター」だが書くときは男女の区別がある。「得」と「的」は共に頻発するが音は双方とも「ダ」だ。
特に発見だったのは声調言語と言っても同じ音なら声調が違っても近い意味の物が多い点だ。たとえば買うと売るは漢字にすると違うけど声に出せば両方「マイ」。ただし声調が違う。
声調の話でよく引き合いに出されるのが日本語のアクセント。「橋」と「箸」の区別である。しかしこれも語源的には両方「端」を意味した「ハシ」だろう。なるほど同じだ。

さて話は飛ぶが、旅をしていていろいろな言葉にふれる度に思い知らされるのが日本語の難解煩雑性だ。文字、文法に始まり、敬語、同音異義語、アクセント。漢字の音読み訓読み。中国語に始まり、オランダ語、英語につづく無数の外来語。発音だって難しいことがある。「小野」と「大野」の違いなんてかなり聞き取りにくいそうだ。こんなに無秩序な混合語を使いこなしているなんて実はすごい能力なのではないだろうか。
ただ最近文章を書く都合上国語辞典を引くことが増えて思ったことだが、実は自分の日本語理解はかなり低レベルだと言うことだ。今更気づいては遅すぎるがひどい物だと思う。
それでも日常会話からこの程度の文章を書くことならさほど苦労なくできるわけだから英語と比べたら依然雲泥の差があるわけだ。

▼子供のあそび

自転車にただ乗っているだけでも結構村の子供たちの遊びが見えてくる。
中国で出会った遊びをここに書き出してみよう。

▽コマ回し。むちのような道具でコマを回しづづけるのがポイントらしい。

▽輪転がし。自転車の古いリムは見かけなかった。大抵針金で輪を作り、同じく針金を曲げた道具で転がしていた。

▽めんこ。日本では見かけなくなった。

▽爆竹。驚いたことに爆竹の火遊びは黙認されていた。単発の爆発音が聞こえたときはたいてい子供のいたずらだ。

▽凧上げ。これは幼児を連れた親が好んでしている気がする。

▽ゴム飛び。女の子の遊び。あまり手の込んだ飛び方はしてない様子。

▽縄跳び。一度だけ見かけた。

▽雪合戦。小学生から大の大人まで年齢を問わず絶大な人気を誇る。

▽後ろ向きに歩く。向かい風の登下校、何人も腕を組んで後ろ向きに歩く姿を何度も見かけた。実益をかねているが遊びの要素も強いようだ。

▼若者から大人の遊び

▽バトミントン。平日の朝っぱらから道ばたでやらなくても良いと思うが。

▽卓球。田舎ではネットの代わりに煉瓦が並んでいる。

▽ビリヤード。陝西省でよく見た。

▽名前は不明だが、蹴鞠の鞠がバトミントンの羽のようなもの。輪になって行う。大連で大流行。

▽麻雀。中国の牌はとても大きい。賭事の基本か。

▽トランプ。いつでもどこでもこれが無くては始まらない。

▽細長いカードを使った賭事。花札とも違う。湖南省でよく見かけた。

▽パソコンゲーム。アクションものが多い。しかしソリティアをしている人も結構居る。

▽旅遊。かなり裕福な層に限る。得てして金持ち臭く品が悪い。ただ最近は大都市から若く現代風な旅人も出てきている。

▼コンパクトな町

コンパクトな町が好きだ。知らない人が案外いるのだが、東京のような巨大都市は身動きが取りにくくて不便極まりない。もちろん最高の品揃えを求めるには大都会の選ばれた店が良いには違いないが、そこまで必要になることはそう多いわけではない。
例えば札幌だが、多少大きくなりすぎた感もあるが東京と比べたら遙かに便利だ。役所関係からデパート、書店などは大通り周辺に集中している。だから大抵の用事は徒歩でほぼすべて用が足りる。
海外でも同じくコンパクトな町が便利快適。たとえば北京や西安は大きいばかりで繁華街が分散していた。その町で最高の店を探そうと思ったら人に聞いて分散する店舗をバスを乗り継ぎながら巡り歩いてみなければならない。不便極まりない。
その点桂林は最高にコンパクトで過ごしやすい街だった。安宿から十分徒歩で中心まで行ける。そして中心部にはコンパクトに都市機能が集中している。郵便局、銀行、デパート、スーパー、写真店、電脳城、中国風・西洋風のファーストフード、さらに小ぎれいな公園といった観光地まで何でも一カ所で済む。こんなに便利な町は少ないと思う。過去最高の町と断言しても良い。
町のコンパクト性は快適性と密接につながっている。それは地方の村でも同じだ。往々にして歴史の古い疲れた町は不便だ。どこまで行っても中途半端な店しか見つからず途方に暮れてしまう。
それに対して新しめの町は中心部がはっきりしていて宿、食堂、売店、郵便局、すべてがすぐに見つかる事が多い。
さてあなたの住む町はどうだろうか。

▼バキヤロー

多くの先人の経験談の通り、私も「バキヤロー」の洗礼を受けることになった。そしてもちろん「ミシミシ」と「ヨシヨシ」も何度と無く聞かされる事になった。
中国の人々と少し会話を交わし、自分が日本人であることを告げ、多少打ち解けてくると必ず言われるのが「バキヤロー(バカヤロウ)」「ミシミシ(飯、メシ)」「よしよし」である。これらはどうやらこの国で毎日のように放映されている戦争ドラマの典型的な日本人の発言らしい。日本人としては何と言っていいか戸惑う瞬間だ。侵略戦争がこの地の人々に与えた傷跡がいかにひどかったかを考えれば文句を言える立場では無いのかもしれない、そう思わなくも無いが、それにしてもあまりにも時代錯誤でステレオタイプ化された日本人像ではないかと思う。
ただ何度も「バキヤロー」を聞かされていくうちに気づいたことは、どうもさほど悪意や恨みを込めて言っているわけではないと言うことだ。むしろ単に「日本」と聞いたときに思い浮かべることが他に無いから言ってみているだけの様だ。たとえて言うなら「オランダ」と聞いた日本人が「風車とチューリップ」と答えるのと近い感覚なのではないかとさえ感じた。
テレビをつけてみると抗日戦や国民党との内戦、紅軍の長征など戦争物のドラマが好んで今でも頻繁に放映されている。そこにアイデンティティーを求めざるを得ないのだろうが、冷戦すら終わっている今、少し時代錯誤ではないかと感じた。そして強烈な「愛国主義」を見ていると、言ってしまうならば、どうも戦前の日本の変なところばかり真似し続けているようにさえ見えてきた。「敵に似る」とはこの事だろうか。
いずれにしてももう少し現在の日本と日本人について知ってもらえたらと思う。もう21世紀なのだから。

▼中国の道路地図ガイド

最後に本屋を見つける度に地図を探し求めた結果を書き記しておく。
思うに下記の二冊を併用すすれば最善の結果が得られるだろう。
とは言っても情報はどうしても古くて実際と異なることが多かった。過信は禁物。特に載っている集落が小さすぎたり、載ってないのに少し大きめの集落があったりすることは両者とも頻繁に起こった。必要に応じて地元の人に聞いたり、路線バスの行き先パネルを見たりすることが必要。
これ以上の細かい情報は各省内の新華書店で省別の地図冊を探す。
いずれにしても等高線は載っていないので日本で地図帳をカラーコピーして持参するのが良い。
もしもっと細かい地形が知りたければ日本で米国製航空地図を買う。これは世界中を網羅した知る人ぞ知る必殺技。
あとは大きな都市からの脱出用に中国の都市部のみを掲載した地図冊を買っておけばさらに完璧。
ちなみに台湾に関してこれらの地図は見ない方が良い。山間部の実際には無い道が載っている。

A.中国公路里程速査洋図/北斗地図系列/人民交通出版社/29.80元

黄色いのでよく目立つ。
速査を売り物にしているだけあって全体像から詳細まで見やすさに置いては最善。
ただし線の引き方についてはBと比べていい加減。道路自体はトポロジカルにほぼ合っているが、川との位置関係などには錯列が多い。地域によって縮尺が違うのが残念。里程は見やすい。

B.中国公路与旅游地図冊/北斗地図系列/山東省地図出版社/17.00元

青い一冊。背表紙は黄緑。
細かい情報に関しては最善の一冊。特に線の引き方は結構正確で写実的。
ただし里程はわかりにくい。


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